父はヒューストン交響楽団の指揮者、母はJ.F.ケネディの秘書もやっていたという中流階級の家庭に産まれ、一人の妹がいる。恵まれた環境で育った彼は小さい頃、ハリウッドの有名人と会うことも少なくなかったという。
　ギターを始めたきっかけは、13歳のクリスマスにギブソン メロディーメーカーと、フェンダー チャンプアンプをプレゼントされたことだった。それ以来、音楽とギターのとりこになり、ジミー・リード、リトル・リチャード、ホビー"ブルー"ブランドなどを好んで聴くようになっていった。
　学生時代には、いくつかのバンド（"The Saints", "The Coachmen", "The Ten Blue Flames"...それらはステージで「ゴーゴーガール」が踊っていた...）を経験し、"The Moving Sidewalks" というサイケデリックバンドをスタートさせる。
　The Moving Sidewalks は、ジミ・ヘンドリックス の前座を務めたこともあり、その際、ジミに「アメリカの若手ギタリストの中で一番有望な存在」と評される経験をしている。実際、テキサスのローカルチャートに5週連続1位のヒット曲 "99th Floor" を送り込むなど、このころから頭角を現し始めていた。
　その後、バンド名を "Z.Z. Top" と改名し、ファーストシングル Salt Lick/Miller's Farm をリリース。そして、当時テキサスで少し名の通っていたプロデューサー ビル・ハム と組み、スカウト・オーディションを繰り返した。そして、ダラスから来た2人のミュージシャン フランク・ベアード、ダスティ・ヒル と出会う・・・

　５人兄弟の一人として産まれ、兄にはロッキー・ヒルというギタリストがいる。
　音楽を始めるきっかけは、幼い頃に見たエルビス・プレスリーに刺激を受けたことで、今でもエルビスの大ファンである。
　13歳の頃すでに、黒人専用クラブの常連になっていたダスティーは、同じく常連であったブルースマンの フレディ･キング と親しくなり、彼のバックバンドを務めたり、家族ぐるみで付き合うようにもなった。
　その頃のダスティーは、夜中までそのクラブで遊んでいるか、もしくは、メキシコから届くラジオの電波に耳を傾け、アメリカの局では流れないようなブルースをよく聴くようになっていた。
　そんな生活を続ける内に、つまらない学校を辞め、バッキング・ブルースマンとして、また、兄のバンド "The Warlocks" のメンバーとして活動してゆくようになる。その後、彼等のバンドがたまたま出演した「セラー」というクラブでドラマーの フランク・ベアード と出会う。
　間もなく、新ドラマー フランクと共に、"The American Blues" をスタート。2枚のアルバムを残すも 1969年に解散。その後は、「アル中」ジミー･リード のサポートを務めるなどして暮らしていた。
　そんなある日、旧友のフランクから新しいバンドに誘われ、ギタリスト ビリー･ギボンズを紹介される・・・

　ダラス郊外のアービングという町で育ち、スティービー・レイ・ヴォーンとは幼馴染みである。学生時代には地元フットボールチームのクォーターバックをつとめるスポーツマンでもあった彼は、 エドサリバン・ショーに出演していたビートルズのリンゴスターを見て、「女の子にもてるために」ドラムを始める。
　実際、彼は高校の時に一度結婚している。 しかし、デパートでバイトをしていた彼が、「セラー」というストリップクラブへ定期的に出演し始めるとすぐに、退屈な学校生活と、飽きてきた結婚生活は共に終わりを告げた。
　そんなある日、「セラー」に出演した ダスティー兄弟のバンド"The Warlocks"を見て気に入り、その後脱退したドラマーの替わりにバンドへ参加することになる。 バンドはしばらくして、"The American Blues" という仰々しい名前に改名。そして、髪を真っ青に染めて注目を集めようとするも解散。
　その後、ヒューストンへ行ったフランクは、メンバーを探していたビリー・ギボンズと出会い、彼のバンド "Z.Z. Top" に参加。そして、知り合いのダスティ・ヒルをベーシストとして薦めたのだった・・・