FUJI ROCK FESTIVAL '99

1999年8月1日、ZZ TOPは13年振りに来日を果たしたのです...


1999.8.3 記

 ZZ Top が来日するという、降って沸いたような話を知ったのは数ヶ月前。昨年のホンダ ZのCM出演にも驚きましたが、今回の来日にはもっと驚いた ZZ Top ファンは多かったと思います。
 そんなファンの心境が手に取るように分かった今回のフジロックフェスティバル。その日は演奏時間が1時間以上も押していました。午後8時すぎ、司会者が、「次の Joe Strummer の後は ZZ Top・・・」と、言うやいなや、「うぉーーー、Z.Z.TOP!!!」という野太い声が響き渡りました。予想通り ZZ Top のファンは年季の入った野郎どもが多いようです。

 開演前には30分以上もかけて入念なサウンドチェックが行われ、その最中にはマジかジョークか、マイクスタンドの高さをメジャーでキッチリと計るという小技も見せてくれました。
 結局 ZZ Top が始まったのは9時半すぎ。「...Rock'n Roll band from Texas...」というSEが流れる中、ステージ下手(しもて)からメンバーが現れたのです。それは大々的でもなんでもない、舞台袖からステージ中央へ歩み寄ってきただけの登場でした。それが彼らでした。私はそこに本人達がいることを半分信じられないような状態で彼らの顔、髭、体を食い入るように見ていました。

 一発目はアルバム "Fandango!" のオープニングナンバーでもある "Thunderbird"。今までCDで何度も聴いてきた曲を今、自分が生で聴いていることに感動しながらも、周りの観客と一緒に大騒ぎしました。続いて 'Have Mercy!' という始まりの "Waintin' For The Bus" に移り、そのままアルバム通りに 次曲 "Jesus Just Left Chicago" に流れ込みました。

 もう、私は嬉しくて仕方ありませんでした。CDでは何度も聴いてよく知っている曲を目の前で本人達が演っているのですから。

 ここで Billy の曲紹介が入りました。初めて聞いた彼の言葉です。
 "Oh yeah! He's bad, aha, You're nationwide!"

 曲紹介の通り? "I'm Bad, I'm Nationwide"。 続いて "Pincuchion" を演奏し、次にファーストアルバムからの曲 "Brown Sugar" (The Rolling Stones の同名曲とは別のもの) では、Jimi Hendrix を感じることの出来る「あの」メインリフへの入り方をそのまま再現してくれ、「いいねぇ、いいねぇ。」と私は独りで悦に入っていました。
 "It's a blues time right now." という言葉で始まった Dusty ボーカルによる渋いブルースナンバーから、もろ80年代の ZZ Top を連想させる "Got Me Under Pressure", "Cheap Sunglasses" そして、90年に入ってからの "Bang Bang" など、いつの時代のファンが聴いても楽しめる構成で進みました。

 Frank が叩き出すリズムと共に "...Like you?" と聞く Billy。観客は皆分かっていました。あの大ヒット曲 "Gimme All Your Lovin" が始まったのです。もちろんサビは皆が歌い、ステージ前の客は大モッシュ。次も80年代の代表曲 "Sharp Dressed Man"。これでもかと言わんばかりに ZZ Top ブギーを聴かせていました。また、往年のファンには懐かしく、ホンダ ZのCMを見た人も納得の、あの、フロント2人のコミカルなキメポーズも健在。やはり彼らはエンターティナーです。
 本編最後となった "Legs" では、「毛のはえたギター&ベース」に持ち替え、観客も大喜び。80年の名曲を蘇らせました。

 後半の曲が勢いのあるものばかりだっただけに終わりは突然でした。ステージ裏に引っ込んだ彼らに対して、観客の「Z.Z.TOP!...」という幾度ものアンコール。もちろん彼らは再び現れます。
 "Tube Snake Boogie" から "La Grange" へと続き曲の後半はフリーソロタイムに。この時、Billy がギターのトリルを続けることによって、天井から吊るされたランプが点灯するというパフォーマンスがあったのですが、あれは一体何を意味したのでしょうか? ZZ Top もしくは観客がパワーを与えたという事なのでしょうか。

 そしてとうとう、ラストの曲 "Tush" です。もちろんボーカルはベースの Dusty です。これまでにも彼はリードボーカルを取っていましたが、"Tush" の時は凄かったです。50歳とは思えないハリのある若々しい声で、かなり高音も出そうです。彼の声に感激しました。そして曲の方は、一度原曲どおりに終わったように見せかけ、Billy が「もう一回いってみよう!」というようなゼスチャーをし、もう1コーラスを繰り返したのでした。
 ZZ Top を知っていた客も知らなかったであろう客も最高に盛り上がり、ステージは終了したのです。

 この度、彼らの出演が決まった数ヶ月前から多くの方が「なんで ZZ Top がトリなんだ?」というようなコメントをしていました。確かに私も「何で今ごろ?」という疑問もあり、また、フジロックの観客に受け入れられるだろうかという不安もありました。 しかし終わってみれば、皆が楽しんでいるではありませんか。彼らのノリが分かる日本人は少なくないはずです。それは観客が証明していました。

 また、会場には私よりも ZZ Top について詳しそうな方が多く見られました。私などが ZZ Top について語るのは恥ずかしいことではないかとも思いましたが、ZZ Top ファンの一人としてこのサイトを運営させてもらっています。ZZ Top のコアなファンの方も、そうでない方も、ここを読んでくれた方に感謝致します。今後ともよろしくお願いします。






データ編

日 付  1999年8月1日
時 間  21:30 〜 23:00 (およその時間)
場 所  新潟県 苗場スキー場 (Green Stage)

 
NoSong Title From The Albums
1 ThunderbirdFandango!
2 Waintin' For The BusTres Hombres
3 Jesus Just Left ChicagoTres Hombres
- MC -
4 I'm Bad, I'm NationwideDeguello
5 PincushionAntenna
6 Brown SugarFirst Album
7 I Loved A Woman( Not released )
- MC -
8 Got Me Under PressureEliminator
9 Bang BangRhythmeen
- MC -
10 Cheap SunglassesDeguello
11 Just Got PaidRio Grande Mud
- MC -
12 Gimme All Your LovinEliminator
13 Sharp Dressed ManEliminator
- MC -
14 LegsEliminator
- Encore -
15 Tube Snake BoogieEl Loco
16 La GrangeTres Hombres
17 TushFandango!


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