− これからどこへ向かうのか? −

 これを書いている時点で、2003年4月リリース予定だったアルバム「メスカレロ」は、 正式に発売されていない。
 詳しいことは分からないのだが、一度は完成したアルバムに対して、RCAの敏腕プロデューサー"Clive Davis"が、更なるセールスアップを狙い、手を加えているらしい。このことに対し、ZZ TOPメンバーたちは何度も討議を重ね、最終的に同意をしたという。
 メスカレロがどう変わるのかは分からないが、ここでは、バンドが今後どうなってゆくのかを予想してみた。(多々の個人的な希望が含まれているのだが・・・)

 まず、彼らの音楽性は、どんなプロデューサーが関わろうとも、変わることはないだろう。あれ以外出来ないと言った方がいいかも知れない。ただ、ウワモノ・表面だけはキラキラ、ヒラヒラと装飾を施すことが出来る。結構これにダマされて、ZZ TOPを新たに好きになるファンも出てくるかも知れない。特に、二十代の若い女性にウケるような音楽に聴こえたならば、Clive Davisさん、あんたはエライと褒めてやろう。
 彼ら(特にビリー)のことだから、これから流行っていく音楽も取り入れて行くだろう。 それを大胆に取り入れることはあまり考えられないが、少しの変化はあるはずだ。
 現在、ギターの音が昔に比べてかなり歪んできている。これ以上歪ませると音程もままならないが、ヘヴィ・ロック系のギタリストらと共に、もう少しは歪みの方向に向かうだろう。チューニングもしかりだ。そして、変な音、効果音も大好きなので、これからも珍品エフェクターは多用してゆくはずだ。
 しかし、ビリーは、ブルースギタリストでもあることを忘れてはいけない。ほとんど歪まない音で、現在よりも多くの、スタンダード・ブルースを(特にライブで)聴かせてくれる日も来るはずだ。ただ、アコースティック・ギターをメインとした楽曲を演奏することは無いだろう。
 ドラムのフランクは、今までどおり、ZZ TOPの屋台骨を築いてくれるだろうが、 そろそろ、ドラムソロを聴かせてくれても良い頃だ。初期にはかなり長いドラム・ソロもやっていたが、これからは、さっぱりとした短かめのものになるだろう。
 ベースのダスティは、相変わらずナスティなベースと、ハリのあるボーカルを聴かせてくれる。ビリーと共に、今よりも多くのスタンダード・ブルースを歌ってくれるのではないだろうか。彼には、ベース以上にボーカルにも注目したい。
 ビジュアル面は、カッコ良く歳をとった感じの、今のまま行ってもらえればOKだ。 そして、もちろん、メンバーも不動の3人なのは、言うまでも無い。

 ここまで書いて気付いたが、結局、今までとあまり変わらないことになってしまうのだろうか? 最初にも書いたが、彼らの音楽性は、変えようにも変えられないものを持っているので、全く違う方向性を見せることはありえないと思う。しかし、変化、発展したZZ TOPも聴いてみたいので、まだまだファンを驚かせて欲しい。


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